
1.外壁のひび割れを発見したらまずこれをしよう!
まず気になるのが、ひび割れを見つけてしまったら「とりあえず」どうしたらいいの?というところでしょう。すぐに業者を呼んで補修してもらった方がいいのか、それとも他に自分でできることがあるのか…ここではひび割れを発見したときに実施してほしい3つのステップをご紹介します。ステップ①ひび割れの幅がどのくらいあるのか測る

ステップ②0.3㎜以上1㎜以下のひび割れの場合は応急処置も検討
ひび割れの大きさが0.3㎜以上だった場合は応急処置も検討しましょう。 ※下記にDIYでできる応急処置方法を記載しますが、こちらはある程度の技量が必要な方法です。塗装に詳しくない方、不安のある方、また1㎜以上の大きなひび割れがあった方は自分で補修を行わずすぐに業者に依頼(この記事でいうとステップ③)をしましょう。 DIYでできる応急処置方法としては、微細なコンクリート粉を塗布し、適量な水分等をあたえてコンクリート粉を定着させるという方法ですが、塗布方法には主に2種類あります。 ■チョーク式被覆補修 まずひび割れ部分に指で水を塗布します。その後チョーク型のコンクリート粉をひび割れ部分にすり込みます。水塗布→コンクリートすり込みの作業を10㎝ごとに繰返します。最後は指で押さえて仕上げます。 チョーク式は無駄なくコンクリート粉を使える一方、指圧がいくらか必要となるため作業時間もかかり体力も必要です。 ■スプレー式被覆補修 まずスプレーでひび割れ部分に水を塗布し、その後セメントスプレーを塗布します。スポンジでまわりとならし、終了です。チョーク式に比べ時間もかからず簡単ですが、噴射することでコンクリート粉が周りに飛び無駄が出るという欠点があります。 ※0.3㎜以上1㎜以下のひび割れであっても、上記のような応急処置を行うのが難しいと思われた場合は専門業者に対処法を相談しましょう。ステップ③業者に診断してもらう
応急処置はしたものの、それが果たして長持ちするかというとわかりません。使用した材料や補修を行った人の技術力により差が出てしまうのは仕方のないことでしょう。 よって0.3㎜以上のひび割れの補修を一旦自身で行った場合も決してそのままにせず、業者にみてもらい、更に補修を行うのか判断することをお勧めします。 ひび割れを見つけたらまず、上記の3ステップを行うことで現状の対策を行いましょう。2.ひび割れが引き起こす4つリスク
取り急ぎひび割れを発見したときにどう行動したら良いかをお伝えしましたが、外壁にひび割れが入ることによりどのようなリスクが発生するのでしょうか? それは大きく以下の4つです。①雨漏りに繋がる
ひび割れが起きるとそのひび割れから雨水が浸入してしまいます。そうするとはじめは室内への影響はありませんが、時間が経つと室内の雨漏りに繋がってしまう可能性があります。②躯体の劣化、建物自体の耐性が落ちる

③湿気によるカビの発生により人体に悪い影響を及ぼす
ひび割れから雨水が浸入するとカビが発生しやすい環境になり、人体に悪い影響を及ぼす可能性があります。④見た目の美観を損なう
ひび割れのある家の見た目はどうでしょうか?少しみすぼらしいイメージになりますよね。 せっかく大事なマイホームであっても美観が損なわれる原因となってしまいます。3.補修方法・費用・保証・保険について
ひび割れを見つたら行うこと、リスクがわかったところで、最も気になる補修方法と費用をご紹介します。3-1.おすすめは業者へ依頼すること~補修までの流れと費用~
補修方法としてはズバリ、業者に依頼することをお勧めします。自分で補修することもできるのでこの後ご紹介しますが、そうするとやはり早期に再びひび割れが出てしまったり、見た目が綺麗に仕上がらなかったりと不具合が発生するケースが多くなってしまいます。 また専門業者であれば、3章でお伝えしたような現状のひび割れの状況や原因を踏まえた上での補修を行ってもらえるため、ご自身で行って失敗してもう一度行って…となるより安心です。 業者に依頼した場合の流れとしては下記のように進みます。 ①現場調査 ひび割れの現状を見て、今がどのような状態で、適した補修方法を提示してもらいます。 ②見積り どのくらいの金額がかかるのか、見積りを出してもらいます。 ③施工日の決定、施工開始! 見積りに納得し、補修すると決まったら業者と施工日を決めていきます。 補修する面積にもよりますが、目安としては1週間前後です。 ひび割れの幅や深さ、発生原因、下地の種類などによって様々な補修方法があり、それによって費用は異なります。また高所作業の場合(2階部分の補修など)にはプラス高所作業車や足場の費用がかかります。 ひび割れが広範囲に発生しており、全面補修が必要な場合は、外壁塗装代として最大80~150万円(一般的な2階建て住宅/塗り面積200㎡、使用する塗料のスペックによる)かかる場合もあります(一部の補修であれば数万円で済むこともあります)。 思っていたよりも高いな、と思われる方も多いかもしれませんが、一度補修してあげると耐用年数としては最低でも5~10年もつ材料が主流であるため、結局自身で補修してまた1年後にやり直す、などを繰り返すかもしれないと考えると非常に安心感が高いといえます。3-2.自分で補修する場合
補修は業者に依頼するのがお勧めとお伝えしましたが、上記留意点はわかったがとりあえず自分でやってみたい、という方もいらっしゃるかと思います。 そのような方は、こちらの別記事の2-3にて外壁のひび割れを自身で補修する方法を記載しておりますのでご覧ください。3-3.知らないと損する!保証・保険制度
現在のお家を新築または中古で購入されたとき、塗替えをしたとき、工務店や塗装会社から保証書は受け取りましたか? ○年保証がついています、という話を聞いたのを覚えていませんか? まずは保証書を確認してみましょう。 条件によっては、業者が補修を請け負ってくれる可能性があります。 また、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理センターが運営している、法律に基づいて国土交通大臣から指定を受けた住宅専門の相談窓口もあります。 業者が誠実に対応してくれない場合はこちらに相談してみることをおすすめします。 また、ひび割れの原因が地震や台風などの自然災害によるものの場合、地震保険が使える可能性もあります。保険に加入されている方は、保険が適用できるのか確認してみましょう。4.ひび割れの種類(外壁素材別、発生源別)
4-1.外壁素材別にひび割れを解説
「ひび割れ」と一言で言ってもすべて同じではありません。主に外壁の種類によってひび割れの種類も変わってくるのです。 ここでは外壁の種類別にどのようなひび割れが発生し、どのような対処法が適しているのか、代表的なものをお伝えします。ご自身の家がどの種類の外壁で、対処法は何が適しているのか照らし合わせてみてください。 ここでは日本の住宅外壁のほとんどを占めるサイディング、モルタル、タイル、コンクリートに関してひび割れの種類、伴うリスク、対処法を簡単に紹介します。①モルタル

②サイディング

③タイル


4-2.【補足】ひび割れの発生源別に解説
3-1では外壁の種類ごとのひび割れの種類をお伝えしましたが、その中で更に発生源別にひび割れの種類が4つほどあります。 ご自宅のひび割れがどのような原因から発生したものなのかも知っておきたいですよね。 下記のように発生源別にひび割れの種類があるということを知った上で、業者に補修の依頼をすると、業者が原因を踏まえた上での補修方法を提案してくれることもあります。予備知識として知っておくことがお勧めです。①ヘアクラック
幅0.3㎜以下の髪の毛のような微細なひび割れのことをヘアクラックといいます。この程度であれば今すぐに何か問題が発生するということはありませんが、気になるようであれば点検をしてもらいましょう。②構造クラック
建物の構造的な欠陥や不同沈下などが原因で発生したひび割れを構造クラックといいます。0.3mm以上、深さが5mm以上のひび割れを指し、基礎の強度が低下し建物を支えられなくなる危険があります。③乾燥クラック
モルタルなどの外壁材は乾燥していく際に水分の蒸発により収縮が生じます。その乾燥途中にできるクラックのことです。建物の壁など、面積の大きな面で起こりやすいものです。④縁切りクラック
モルタルなどの外壁材を使用する際は、一度に一面を仕上げていくことになります。その際に何らかの理由で作業を中断したり、部分的にやり直しをしたりすると先に塗った部分と新しく塗った部分に時間差が生じます。この縁切れ部分が劣化してひび割れることを縁切れクラックといいます。5.主にどんなところにひび割れは発生する?
ひとつひび割れを見つけてしまうと、他にもあるのではないかと心配になる方もいるのではないでしょうか。ここもチェックしておけば安心!という、ひび割れの発生しやすい箇所をお伝えしますので、確認しておくと安心です。①窓枠まわり

②シーリング(目地部分)

③外壁本体
