2017.09.20
外壁塗装にどのくらい時間がかかるのか、気になっている方も多いと思います。
天候に左右されますが、大体、10日~2週間ほどが目安になります。「そんなに長くかかるの?もっと短くならないのかしら?」と疑問に思われるでしょうか。実は、短く済ます外壁塗装には要注意です。外壁材を塗る塗料にはメーカーが定めた、乾燥時間というものが設けられています。その乾燥時間を守る為、一日一工程しかできない場合があるのです。この乾燥時間を守らないと初期不良の原因になってしまう可能性があります。
下に、工期のおおよその目安を図にしてあります。屋根と外壁を塗装しようと思うならば、このくらいの日数を想定すると良いでしょう。
足場設置 | 1日 |
---|---|
高圧洗浄 | 2日 |
養生 | 3日 |
下塗り | 4日 |
中間検査 | 5日 |
中塗り | 6日 |
上塗り | 7日 |
完了検査 | 8日 |
足場解体 | 9日 |
いざ、工事が始まるとまずやってくるのは足場業者です。足場とは、職人が高所で塗装する為の作業スペースとなる部分です。この足場設置に大体、丸一日が掛かります。
・足場組み立て時の注意点
足場の組み立てで注意したいのが、足場業者の立ち入りと騒音です。
足場はバラバラの円管パイプをトラックに積んで業者が運んできます。住居の近くに大型のトラックが止まる場合があります。
また、円管パイプを組み立てる際、どうしてもカンカンカンという音が周りに響いてしまいます。
足場の組み立てが終わった翌日には、高圧洗浄という作業があります。塗装をする前の作業として、おうちに付いているコケやカビ、汚れなどを落とす為に、屋根・外壁・付帯部分を特殊な機会で洗います。この作業に丸一日が掛かります。念入りに洗っているから時間が掛かるというのもありますが、濡れた家屋に塗装する事が出来ないので、洗いあがった家を乾燥させる時間も含め丸一日が掛かるのです。
・高圧洗浄時の注意点
高圧洗浄をおこなう際に注意すべき事があります。それは、洗浄時の汚水の飛散です。高圧洗浄の前には、飛散防止のシートを足場の周りに掛けるのですが、突風などがあれば汚水が隣家に飛散する可能性も否定できません。
ご近所の方が干している洗濯物に汚水が飛んだら大変です。高圧洗浄の前日には、隣家へ声を掛けておくと良いでしょう。
高圧洗浄で、おうちの汚れが落ちたら、次に行う工程は養生です。養生とは、塗料が付着して欲しくない部分にビニールなどを使用して保護をする事を言います。例えば、シャッターボックスや雨どいなど、塗らない部分には全て養生という作業をおこないます。
たかがビニール貼り、とあなどってはいけません。この養生貼りの作業、実は外壁塗装の仕上がりを大きく左右する大事な工程なのです。下の写真ではテープがまっすぐ綺麗に貼られていますね。このまっすぐ綺麗なテープが仕上がりの美しいラインを作り出すのです。丁寧な仕事が必要になるので、この工程でも大体一日掛かると見積もっておくのが良いでしょう。
養生の作業が終了したら、やっと下塗りに入ります。下塗りとは、専用の塗料で外壁面を均一にする効果や、上塗り塗料を外壁面と密着しやすくする糊のような働きをします。
この下塗りの作業にも丸一日が掛かります。下塗り塗料は、下記の写真の様に透明だったり、乳白色だったりします。体外が色の薄い液体です。傷んだ外壁や屋根の場合、下塗り材は素地にどんどん吸収されていきます。この吸収された下塗り材をしっかりと乾かす事が重要です。先ほど書いた通り、この下塗り材は上塗りと外壁をくっつける糊の役目をしています。メーカーが指定した乾燥時間を守らないと、その効果が発揮されないのです。
ここで、いよいよ外壁に色を付けていく中塗りの作業に入ります。中塗りと上塗では同じ塗料を使用します。「なんでいっぺんに塗らずに、二回に分けて塗るの?」と疑問に思った方もいらっしゃるかもしれないですね。二回に分けて塗る理由は「膜厚」を付ける為です。
膜厚とは、字の如く、塗膜の厚みを指します。塗料にはそれぞれメーカーが定めた膜厚が存在し、その膜厚を守らないと塗料本来の力が発揮されないのです。そして、いっぺんに多くの塗料を塗ってしまうと、表面は乾いているのに、中は固まらないといった初期不良を引き起こしかねない場合があります。その為、塗料をしっかり乾かしてから、二度目を塗る二回塗で膜厚を出しているのです。
・中塗り時の注意点
現在では、臭いの少ない塗料が主流をなっていますが、臭いに敏感な方はちょっと気になる事があるかもしれません。気になるようでしたら、事前に近隣の方へ臭の注意をしておくと良いかもしれないですね。
また、住宅密集地の場合、家々の隙間がなく突風時に塗料が隣家に飛散してしまう場合もあります。塗装に入る前には、作業員の方に隣家の車や自転車へ保護カバーをかけてもらうと良いでしょう。
中塗りの塗料が、しっかりと乾燥したら、最後の塗装、上塗りを行います。中塗りと同様に外壁材の色となる塗料を塗っていきます。厚みのついた塗料の断面図は下のイメージ画像のようになっています。このように、並べると、どちらが耐久力があるのか一目瞭然ですね。
おうちをしっかり守るには、このように厚みのある塗膜を形成するのがもっとも大切な作業になります。この作業にも、塗り終わった後の乾燥時間がありますので、丸一日がかりの作業となります。
いかがでしょうか?工事はこういった日程で、約2週間程度で行われます。天候によっても前後することがありますので、多少余裕をもってスケジュール管理を行いたいですね!