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屋根工事の種類や方法紹介!

2017.09.30

1.屋根工事の基礎知識

1-1.屋根工事の種類

屋根工事の一覧です。屋根の種類・劣化状況や屋根リフォーム業者によって工事内容の提案は変わります。まずは、屋根工事の全体像を掴み、どのような屋根工事が必要となるのかを知りましょう。
屋根工事の種類 工事概要 注意点
葺き替え工事 今の屋根材を撤去し、新しい屋根材に取り替える工事。 工事金額が最も高額です。
カバー工法 今の屋根材の上に、新しい屋根材を被せる工事。 屋根が重くなり耐震性の確認が必要です。※瓦屋根はカバー工法できません。
塗装工事 今の屋根材に塗料を塗ることで、屋根材を保護します。 屋根材の劣化症状によって、塗装工事ができるかの判断が必要です。
板金工事 屋根の棟板金や破風板などの金属製品の交換をする工事。 金属のため、錆びや釘が浮いていたりすることがあります。現場調査時に確認してもらうことをおすすめします。
漆喰工事 瓦屋根の瓦同士の接着に使われる漆喰の詰め直し工事です。 日本家屋に使われる和瓦はほとんど劣化しませんが、瓦を固定している漆喰は定期的なメンテナンスが必要です。
雨樋工事 樋の破損や劣化傷みによっては、樋の交換をする工事です。 樋が正常に機能しなければ、雨漏りなどの原因にもなりかねません。現場調査時に確認してもらうことをおすすめします。
防水工事 陸屋根・バルコニーなどの防水材を改修するための防水工事です。 防水材の定期的なメンテナンスを怠ると、すぐに雨漏りに繋がりかねません。屋根のメンテナンスをする上で第一優先すべき工事です。

2.屋根工事内容と工事金額の目安

次は、屋根材毎に具体的にどのような工事内容と工事金額の目安を説明します。 <注意> ①下記の場合は、部分補修でも費用が高額(数十万円~)となる場合があります。 ・足場が必要な場合 ・部分補修が広範囲に及ぶ場合 ・雨漏りなどで構造部まで劣化の被害が及んでいる場合

 1-2-和瓦・セメント瓦 系

※瓦の段差を平らにすることができないため、瓦屋根でカバー工法はできません。
劣化症状 工事内容 工事金額の目安
部分補修
抜け落ち 部分的に抜け落ちている場合に新しい瓦を差し込みます 2万円~※交換枚数による
割れ・ズレ 瓦を取り除き新しい瓦に差し替えます。 2万円~※交換枚数による
瓦をめくり、下地が傷んでいれば防水シートによる補強工事を行います。その後瓦を葺き直します。 4万円~※交換枚数による
隙間のセメントや漆喰の剥がれ 古い漆喰を取り除き、葺き土も傷んでいれば取り去ります。その後、新しい葺き土で瓦を接着し、漆喰を均等に塗り込みます。 5000~7000円/m~※補修する長さによる
塗装工事
塗膜の剥がれ・チョーキング・色褪せ・変色 瓦表面の汚れや塗膜などを高圧洗浄やケレン作業にて除去し、塗装します。※和瓦は塗装工事できません。 25~40万円
葺き直し・締め直し
抜け落ち・割れ・ズレ 瓦を全て剥がし、不具合箇所を補修(瓦・アスファルトルーフィング・野地板など)し、再度既存の瓦を葺き直す工事です。現在の瓦を再利用するため、葺き替えに比べコストを抑えることができます。 80万円~
葺き替え
抜け落ち・割れ・ズレ 瓦自体もひどく傷んでおり、抜け落ちなどが多発している場合に「葺き替え」をします。 80~240万円

1-2-2.スレート瓦 系

※スレート瓦自体がもろく、すでに割れている場合、屋根に登っただけでスレート瓦を踏み割ることがありますので、ご注意ください。
劣化症状 工事方法 工事金額の目安
部分補修
棟板金の釘抜け・ゆるみ 棟板金の釘抜け・ゆるんでいる釘を撤去し、新しく釘を打ち付けます。 2万円~
抜け落ち・割れ・ズレ 割れた瓦などを取り除き、新しいスレート瓦に差し替えます。 2万円~
塗装工事
塗膜の剥がれ・チョーキング・色褪せ・変色・苔藻の発生・棟板金の錆 スレート瓦表面の汚れ・苔・藻・既存塗膜などを高圧洗浄やケレン作業にて除去し、塗装します。 25~40万円
カバー工法
抜け落ち・割れ・ズレ スレート瓦がひどく劣化が進行している場合などに使用します。 60~130万円
葺き替え
抜け落ち・割れ・ズレ・屋根材の剥がれ スレート瓦がひどく劣化が進行している場合などに使用します。※屋根材自体が剥離する脆いスレート瓦は葺き替えしかできません。 140~200万円
板金工事
棟板金に孔食(穴あき)の発生 棟板金に孔食(穴あき)や発錆がひどく進行している場合に棟板金の交換を行います。 25万円~
※塗装工事をする場合、スレート瓦同士の重なり部に「タスペーサー」を挿入してください。塗装工事後の塗膜剥離や膨れ・塗り替えた塗膜が白く汚れる現象(エフロレッセンスの発生)・雨漏りの予防になります。   1-3.各種工事の具体的な工事内容

1-3-1.塗り替え工事

塗り替え 【メリット】 ・塗料の主要成分(樹脂)の違いによって塗料の値段が変わるため、工事費用を調整することが可能です。 ・遮熱塗料を用いると室内環境改善にも繋がります。 ・工事が短期間(約2週間程度)です。 【デメリット】 ・工事金額を抑えるために、塗料のグレードを下げると塗料の性能(耐候性など)が下がります。 耐候性の低い塗料は、塗り替えの頻度が増え、長期スパンで判断した時に屋根リフォーム工事の総額が高くなる場合があります。 ※屋根塗料に使う塗料のランクは、「シリコン塗料以上」をおすすめします。 ・屋根材の傷みがひどいと、塗装できない場合があります。

1-3-.カバー工法

屋根材が劣化していても野地板や防水シートまで劣化が進行していない場合は、既存の屋根の上に新しい屋根材をかぶせるカバー工法(重ね葺き)がおすすめです。 【メリット】 ・屋根の解体や廃材処理が必要ないため、葺き替え工事と比べると施工期間が短く費用を抑えられます。 ・屋根が二重となるため、断熱性・遮音性が高まります。 ・既存の屋根材をそのまま使用するので、工事期間中の雨の影響は受けません。 【デメリット】 ・屋根が二重となり重さが増すため、施工前に建物の耐震性の確認が必要です。  

1-3-3.葺き替え工事

屋根材だけでなく、野地板や防水シートまで劣化が進行している場合には、既存の屋根材をすべて撤去し、新しい屋根材に替える葺き替え工事を行ないます。 屋根葺き替え 【メリット】 ・既存の屋根材を撤去し、全て新品の屋根材を使用しますので、新築同様の見た目や耐久性があります。 ・屋根材を全て剥がして工事をするため、どのような屋根でも工事できます。 ・防水シートや野地板の不具合箇所も目視で確認することができます。 【デメリット】 ・塗装やカバー工法と比べると、施工期間が長く工事費用が高くなります。 ・既存の屋根材を剥がすので、工事期間中の雨の影響を受けてしまいやすい。 ・屋根の解体や廃棄の費用が別途かかります。 ・アスベストが含まれている屋根材の場合、通常より高額な解体費がかかります。 ※2004年以前に施工された建物には、アスベストを使用している屋根があります。その場合、廃材処理には高額な費用がかかることもあります。    

2.屋根材ごとの劣化症状に合わせた適正な工事内容 ~屋根のプロのチェックシート~

工事内容も大きく分けて「葺き替え工事、カバー工法、塗装工事、補修工事」の4つと、その他に「板金工事、漆喰工事、雨樋工事、防水工事」などたくさんの工事のやり方があります。施工業者の提案が本当に適正な工事内容なのかと照らし合わせることができる「屋根のプロのチェックシート」をご紹介します。 屋根リフォーム業者に診断をしてもらい調査報告書の提案を受ける時に、お施主様ご自身でもどの項目にチェックが入るのかを確認してみてください。 丁寧な説明を屋根リフォーム業者はビデオ撮影や写真で見せてくれますので、ご自身の目で現状を確認をしてください。その上で、屋根工事の提案を受けて検討してください。 ※屋根材の劣化状況によっては、下表以外の工事となる場合もあります。しっかり施工業者と打合せを重ねてください。
屋根のプロのチェックシート
チェック項目 重症度 オススメの屋根工事
共通チェック項目
☑雨漏りの発生 別途雨漏り診断が必要
☑天井・壁・屋根裏に雨シミ 別途雨漏り診断が必要
☑雨樋の歪み 雨樋工事
☑塗装材の剥がれ 塗装工事
☑塗装材のチョーキング 塗装工事
☑屋根材の色褪せ・変色 塗装工事
セメント瓦・和瓦系
☑瓦の抜け落ち 部分補修・葺き替え工事
☑瓦の隙間のセメントや漆喰の剥がれ 漆喰工事
☑瓦の割れ、ズレ 部分補修
☑瓦に苔藻の発生 低~中 塗装工事(※和瓦は不可)
スレート瓦 系の屋根材
☑屋根材の抜け落ち カバー工法・葺き替え工事
☑屋根材の剥がれ カバー工法・葺き替え工事
☑棟板金に孔食(穴あき)の発生 棟板金交換
☑屋根材の割れ、ズレ 部分補修
☑苔藻の発生 低~中 塗装工事
☑棟板金に錆の発生 低~中 塗装工事
☑棟板金の釘抜け・ゆるみ 部分補修
金属系の屋根材
☑屋根材のめくれ カバー工法・葺き替え工事
☑孔食(穴あき)の発生 カバー工法・葺き替え工事
☑錆の発生 低~中 塗装工事
☑棟板金の釘抜け・ゆるみ 部分補修
※重症度(高)…大規模な改修工事が必要です。早期の修繕工事が必要です。 重症度(中)…塗装工事が必要な場合が多いです。劣化状況によっては早期に塗装工事が必要になる場合もあります。 重症度(低)…部分補修工事で完了するケースが多いです。塗装工事を検討し始めた方が良い段階です。  

3.屋根工事をお願いする時の業者選びの3つのポイント

現場調査をしっかりと行ってくれる会社 屋根診断をしてもらい劣化症状を把握できたら、次は屋根工事をお願いする業者選びです。もちろん、いつもお付き合いのある所が信頼できる業者であればお願いをするのも良いでしょう。しかしながら、お施主様の皆様がそういうわけではありませんので、下記のポイントを参考にして業者選びの参考にしてください。 屋根に登らずに診断を終了する業者もいます。下から見上げただけではなく、屋根に登って調査をしてもらえる業者を選びましょう。また、雨漏りが発生している場合は、屋根裏の漏水跡(水のシミ)から発覚します。室内の壁や天井ちらっと見るだけで雨漏りが発見できるのは、雨漏りがかなり進行している場合のみです。屋根裏を診断しない業者は、そもそも雨漏りに関する知識がないこともあるため注意が必要です。 ☑専門資格をもった屋根のプロが診断をしている 診断をしているのは、外装劣化診断士(一般社団法人住宅保全推進協会の認定資格)や建築士などの有資格者かどうかを確認しましょう。専門資格がなければ診断ができないというわけではありませんが、資格は、診断に関する知識をもっているかどうか推し量る1つの指標です。 ☑ホームページに屋根工事の実績やお客様の声を多数掲載している会社 どれだけ多くの屋根工事をしているかは判断基準の1つになります。今までのお客様に信頼されて工事を依頼されている証拠ですので、ホームページに施工実績やお客様の声を多数掲載している施工業者は信頼できる業者の証です。  

4.屋根工事の流れを知ろう!

屋根工事は下記の様な流れで進みます。突然、訪問販売が来て強引な営業や即決を求めてくる業者などいます。基本的にはお施主様自身が業者が提案している内容に納得できることがとても大切です。業者の提案を鵜呑みにすることなく、疑問点はその場で解決することを心掛けましょう。
屋根工事の流れ 概要
①施主様から屋根リフォーム業者へ連絡 電話やメールで屋根リフォーム業者へ問合せをしてください。 屋根の種類・築年数・屋根の改修履歴などを伝え、現場調査の日程を決めます。
②現場調査 屋根リフォーム業者にどのような症状が出て困っているかを詳しく話をしてください。 その情報をもとにして現場調査では、屋根に登り劣化症状をよく調べ、現状を教えてもらいましょう。 詳しくは、後日に書面にまとめた調査報告書の説明をしてもらう日程を決めます。
③調査報告書の説明 屋根リフォーム業者から調査報告書の説明をしてもらいましょう。 必要であれば、実際に屋根を見ながら説明を受けるとより理解を深めることができます。
⑤契約 調査報告書の内容に納得ができれば、契約です。この際、屋根リフォーム業者からの押し売りに屈することなく、疑問点は全て解決してください。 また、工事中に近隣住民の方へ騒音や埃などご迷惑をかける恐れがあることを、屋根リフォーム業者と一緒に挨拶に行くことをお願いしてください。
⑥着工 毎日の工事報告はしっかりと聞いてください。全てを業者任せにするのではなく、ここでも工事の疑問点や気付いたことを解決してください。 屋根リフォーム業者も工事途中であれば解決できることもたくさんあります。
⑦工事完了のご報告 工事完了後には一緒に完了検査に立ち会って、遠慮することなく気付いたことは伝えましょう。 引渡し時に保証書をもらいますので、しっかりと目を通して保管してください。
⑧アフターメンテナンス どのような工事でも万が一のことは発生する場合があります。 工事中や工事完了の際の立ち会いでは気付けなかったことや工事後に発生したことをすぐに屋根リフォーム業者へ連絡をしましょう。
このような流れで屋根工事が進みます。 業者によっては工事の流れが違うこともありますので契約前に確認をしてください。  

5.屋根の健康診断 ~セルフチェックシート~

屋根は建物の中でもっとも紫外線・熱・雨水によって傷みやすい所です。しかし、一番目が届かないような部分ですので、いつの間にか劣化が進行しているケースもあります。定期的に屋根診断をすることで、「早く悪い所を見つけ出し、直すことで家を長持ちさせる」ことができます。 いきなり業者に相談をすることは「ちょっと気が引ける・・・」という方も多いと思います。まずは、ご自身の目で現状を把握したいと思う方もいらっしゃると思いますので、簡単にできるチェックシートをご紹介します。「セルフチェックシートで劣化症状は確認できたが、どの程度の屋根工事が必要なのか」は屋根のプロに診断してもらわないと判断できません。重症度が中~高にチェックが入った方は、屋根点検を屋根リフォーム業者に見てもらいましょう!
●●●屋根セルフチェックシート●●●
チェック項目 重症度 写真
共通チェック項目
☑雨漏りが起きている  雨漏り
☑天井や壁に雨シミがある 雨漏り天井
☑今まで屋根点検や補修をしたことがない  屋根診断
☑雨樋の変形、ゆがみがある  
☑屋根材が色あせ・変色している  スレート屋根
スレート瓦・セメント瓦・和瓦 系の屋根材
☑屋根材に割れがある  
☑屋根材に苔藻が発生している  
金属系の屋根材
☑屋根材に錆が発生している    
セルフチェックシートでは、ある程度の劣化症状を知ることができますが、はしごをかけて屋根を直接見ることができた場合です。もし、直接見ることができない場合は、屋根が見える高台から遠目ですが確認することもできます。 チェック項目に当てはまり、不安に感じられるようでしたら、一度、屋根リフォーム業者に相談することをおすすめします。放置しておくと、雨漏りなど日常生活に支障をきたす場合もありますので、良いことはありません。    
※セルフチェックシートで屋根を診断される方へ 絶対に1人で屋根に登らないでください。 屋根に汚れ・苔藻が発生している場合、足が滑りやすい状態ですので注意してください。また、屋根の傾斜が急な場合・雨で濡れている場合・風が強い場合はとてもすべりやすい状態で、万が一、屋根から落ちてしまうと命の危険がありますので、絶対に登らないで下さい。 もし、屋根診断をしようと思う方は、はしごの足を押さえる人がいる状態で、はしごから顔だけ出して屋根診断をしてください。
   

まとめ

屋根材もたくさんの種類があり、工事方法も塗り替え・重ね張り・張り替えなどたくさんの選択肢があります。実際にどのような劣化症状をしているからこのような工事が適切であるという判断は屋根リフォーム業者に診断と提案をしてもらわないとできません。大切な家を守っていく上では屋根工事は欠かせませんので、この機会にセルフチェックシートから始めて、屋根リフォーム業者に屋根の健康診断をしてもらってみてはいかがでしょうか。