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スレート屋根の塗装リフォームでタスペーサーが便利な理由とは

2020.03.25

スレート瓦の塗装リフォームでは、前回の記事でご紹介したようにスレートの隙間から雨水を排出する『縁切り』という作業が欠かせません。

この縁切り作業、工事方法にいくつかの種類があるのですが、現在ではタスペーサーという器具を用いた方法が主流となっています。

なぜ縁切りでタスペーサーが広く利用されているのか、タスペーサーが便利な理由について見ていきましょう。

 

タスペーサーの構造と使用におけるメリット

スレート屋根の塗装リフォームで用いられるタスペーサーは、簡単に言えばクリップのような構造を持った部材です。

上の画像を見ていただくとわかりやすいのですが、タスペーサーの左右にある部品が本体から飛び出しています。

タスペーサーをスレート瓦に差し込むと、この板バネのような部分によってスレート瓦が持ち上げられ、塗料が隙間を埋めてしまうのを防ぎます。

また、こちらの画像でもあるように、タスペーサー自体にも隙間が空けられているため、この部分からも内部に侵入した雨水の排出が可能です。

 

タスペーサーを利用するメリット

スレート瓦の塗装リフォームでタスペーサーを使用する最大のメリットは、工期が短くなることと、確実な縁切りが行えることです。

一般的な縁切り作業では、職人が2人で作業して約1日が工期の目安ですが、タスペーサーはスクレーパー等でスレート瓦を持ち上げて差し込むだけで施工できるため、同程度の屋根面積なら半分以下の時間しかかかりません。

また、全ての塗装工程が完了した後に施工しなければならない通常の縁切りと違い、タスペーサーは下塗り後の施工が可能なため、作業の合間に設置できるのも工期の短縮に繋がります。

この下塗り後に施工が可能というメリットは、確実な縁切りにも効果的です。

通常の縁切りでは、全ての塗装工程が終わってからスクレーパーや皮スキといった器具で隙間を埋めている塗料を切り開いていくのですが、ある程度時間を空けても隙間に入り込んだ塗料が硬化していない場合があります。

このような状態で縁切りを行うと、固まっていない塗料によって隙間がまた埋められてしまい、縁切りが不十分になりやすいのです。

タスペーサーを使用すれば、隙間が常に持ち上げられた状態が維持されるため、縁切り部分が埋まってしまうリスクが抑えられ、雨漏りなどが起こりにくくなります。

 

タスペーサーを使うとスレートが割れる?

タスペーサーについて調べてみると、デメリットとしてタスペーサーを入れるとスレートが割れやすくなってしまうと説明されていることがありますが、結論から言えば、タスペーサーを設置することによってスレートが割れやすくなるということはありません。

老朽化が進み強度が著しく低下したスレートにタスペーサーを設置すると破損する可能性はありますが、そこまで弱ったスレートの場合、通常の縁切り作業やちょっとした強風でも簡単に破損してしまいます。

基本的に、タスペーサーは適切な工法で適切な製品を用いれば屋根を壊すことはなく、一部で語られているタスペーサーのデメリットは、不十分な施工や無理な施工が原因である場合がほとんどです。

スレート屋根の塗装リフォームを行う際には、こういったトラブルが起きないよう、十分な知識と経験がある塗装業者に施工を依頼しましょう。

 

 

 

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