2019.07.24
スレートとは、セメントを主成分として、繊維質の素材を配合して作られる屋根材のことです。
製品としてはケイミュー株式会社のカラーベストなどがあり、特にカラーベストについては豊富なカラーリングから人気のある屋根材として知られています。
日本瓦や洋瓦などの陶器製屋根材に比べ、セメントが主成分なので面積あたりの重量が軽く、また製造工程も焼く手間がかからないため、比較的安価に購入できるという点がメリットです。
反面、スレート屋根材は薄いため、陶器や金属の屋根材に比べると割れや反りが起こりやすい傾向がある点には注意しなければなりません。
また、セメントそのものには防水性が無いため、表面の塗装が劣化した場合は雨漏りなどの原因となってしまうでしょう。
カラーベストをはじめとするスレート屋根をお使いの場合、どのような状態になったらメンテナンスを行えば良いのでしょうか?
スレート屋根ではどのような症状が起きるのでしょうか。
一般的にメンテナンスを行った方が良いと考えられる症状と、症状別のメンテナンス方法についてご紹介します。
スレート表面に塗られている塗料が劣化し、防水性が失われつつある状態が変色です。
この状態になると、スポンジのように屋根材が水分を吸い込んでしまうため、カビや苔などが生えやすくなったり、寒冷地では凍害の原因となってしまいます。
施工直後に比べて光沢がなくなっている、色が明らかに変わっているというような場合、メンテナンスの時期と言えるでしょう。
メンテナンスについては、塗料が劣化していることが原因ですので、再塗装を施すのが一般的です。
ペットボトルのお茶やスポーツ飲料を凍らせると、ペットボトルが膨らみます。
これは、水分が凍ると、液体状態に比べて体積が増すことが原因です。
凍害とは、劣化したスレート屋根などの水分を吸収しやすい建材が水分を含んだ状態で水分が凍ることで起こる問題です。
水分がスレートなどに染みこんだ状態で凍結と解凍を繰り返すと、膨張と収縮によって建材に細かな力が加わり、ヒビや割れが起こります。
メンテナンスの目安としては、ヒビや割れが見られたらということになりますが、凍害の初期段階では細かな破損である場合が多く、実際に屋根の上での確認で初めて判明するということも多いため、塗装が劣化したら冷害などによる破損も起こっている可能性があると考えておくと良いでしょう。
メンテナンス方法については、破損したスレートの交換および再塗装を行います。
もし、凍害の影響を受けている範囲が広い場合は、屋根の全面葺き替えによるリフォームとなるでしょう。
スレートの反りや変形は、凍害と同じく防水性の低下が原因で起こる症状です。
こちらは凍害と違い、凍結では無く水分を含んだ状態でスレートが膨張することが原因で起こります。
紙を湿らせて乾燥させるとシワができるのと原因は似ていますが、スレートなどの場合は素材の硬さが違うため、少しの湿気などでは大きく歪んでしまうことはありません。
しかし、長期間スレートそのものが吸湿と乾燥を繰り返すと、建材そのものに歪む力が蓄積してしまいます。
この歪む力が積み重なって起こるのが反りや変形です。
反りや変形が起こると、屋根に隙間が生まれるため、雨漏りの危険性が高まりますし、変形する際にスレートを固定する釘が引き抜かれてしまうと、屋根材が滑落してしまう場合もあります。
屋根を見て隙間が見えるような場合には、できるだけ早い段階でメンテナンスを行うようにしましょう。
メンテナンスの方法については、凍害の場合と同じく部分的な変形ならスレートの交換と塗装を行い、全体的に症状が出ている場合には、葺き替えで対応でします。
スレート屋根に発生するトラブルは、大抵の場合表面の塗装が劣化することによる防水性の低下が原因です。
塗装の劣化などが起きていないか定期的に確認し、状態に合わせて再塗装を施せば、スレート屋根は約30年以上使い続けられると言われています。
スレート屋根の塗装リフォームは葺き替えに比べて安価に施工することができますので、大掛かりな修繕が必要となる前に、定期的な塗装によるメンテナンスを実施すると良いでしょう。
2020.04.20
2020.04.14