2020.02.26
住宅の屋根用建材として古くから用いられてきたものに、トタンがあります。
自宅の屋根材にトタンを使っている場合、どのようなメンテナンスを行えば良いのでしょうか?
トタン屋根の基本的な特徴と、塗装によるリフォームの際に注意するべきポイントをご紹介します。
トタンは、鉄の薄板に亜鉛メッキと塗装を施して作られる建材で、屋根や外壁、雨どいなどに用いられています。
軽量で施工性が良く、施工費用が安価というメリットから、住宅用に広く用いられてきました。
しかし、トタンは表面の保護層に傷が付きやすく、傷からすぐに錆びが広がって穴があくというデメリットがあるため、近年ではよりサビに強いガルバリウム鋼板への移行が進んでいます。
トタン屋根の耐用年数は平均で約15年と言われています。
同じ金属系屋根材のガルバリウム鋼板が約25年と言うことを考えると、トタン屋根の耐用年数はやや短めです。
ただし、傷によるサビの浸食が発生する前にサビ止め及びサビ防止効果のあるトタン用塗料を用いてリフォームを行った場合は、耐用年数以上に状態を保つことができるでしょう。
珍しい事例ではありますが、5年に一度塗装リフォームを実施することで、40年以上葺き替えリフォームを行わずに屋根の状態を保っているという物件もあります。
トタン屋根に限らず、屋根のメンテナンスでは劣化の度合いによってメンテナンスの方法が変わります。
トタン屋根の場合はどのような症状でどういったメンテナンスが必要となるのか、基本的な例をご紹介します。
塗装によるリフォームで対応できる症状は
などです。
塗装リフォームによる修繕が難しい症状は
などの屋根材として破損している場合が対象となります。
基本的に、表面のメッキや塗装といった保護層が劣化している場合は塗装が可能で、内部の鉄板部分が破損している場合は葺き替えリフォームが必要だと考えておけば良いでしょう。
実際にトタン屋根の塗装リフォームを依頼した場合、どのような手順で工事が行われるかについてもご紹介しておきます。
ワイヤーブラシやグラインダーなどを用いて劣化した塗膜や表面のサビ、汚れなどを削り落とします。
ケレン作業で発生したホコリや表面にこびり付いたカビやコケなどを、高圧洗浄機を用いてしっかりと洗い落とします。
浮いた釘の打ち直しや棟板金の補修、場合によっては穴のあいたトタンの部分補修などを行い、屋根の状態を塗装が可能なまでに回復させます。
サビ止め剤が配合されたプライマー(下塗り塗料)などを塗ってから中塗り、上塗りと塗料を塗り重ねていきます。
トタン用塗料の中には、下塗りが不要で中塗りと上塗りだけで施工できるものもあります。
トタン屋根の葺き替えを行う際に、他の屋根材へ変更することもできます。
葺き替えの場合は、多少下地の加工等が必要になりますが、基本的には一般的に用いられている屋根材なら大抵のものを利用できるでしょう。
トタン屋根の強みである軽量さを維持したいという場合については、トタンと同じ金属系屋根材であるガルバリウム鋼板がおすすめです。
ガルバリウム鋼板の屋根材は、トタンと重量がほぼ同じにもかかわらず、耐用年数が約3割長いため、メンテナンスコストを抑えられます。
トタン屋根のメンテナンスは、いかに症状が進行する前に対応するかが重要です。
定期的に屋根の状態を確認し、表面に傷やサビが見られる場合にはできる限り早期に対処することをおすすめします。
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