2019.11.06
住宅の外壁に用いられている塗料は、施工後溶剤が乾燥し、成分が硬化することで定着します。
住宅用塗料の場合、溶剤の乾燥は湿度が低い方が早く進み、硬化については気温が高い方が硬化が早いため、外壁塗装に最適な季節とは、湿度が低く気温が比較的高いことが求められるのです。
つまり、比較的雨が少なく空気が乾燥しており、気温がある程度高めの春と秋が外壁塗装に最適な季節だと考えられます。
市販の外壁用塗料の場合、塗装の硬化に最適な条件は気温が約15度から約30度、湿度約75%以下とされています。
この条件を見ると、夏や冬はほとんど塗装ができないように思えますが、あくまでこれは最適な条件のため、実際にはもう少し余裕があります。
一般的な外壁塗料の仕様では、塗装に必要な環境は
・気温5度以上
・湿度85%以下
と記載されていることが多く、この条件なら夏や冬でもタイミングを図れば外壁塗装を行うことができるのです。
ただ、これは施工から硬化までの間に確保しておかなければならない条件のため、冬場のように朝夕に冷え込んで5度を下回る場合や、他の季節でも降雨が予想される場合には、施工が難しいと言えます。
気温や湿度以外にも、季節によって外壁塗装リフォームへの影響は大きく変わります。
各季節ごとにどのようなメリットやデメリットがあるのか、順番に見てみましょう。
春は天候が比較的安定しており、暖かく雨が少ない時期です。
外壁塗装リフォームに適した時期と言え、年間を通して外壁塗装リフォームの件数が最も多くなる時期と言えます。
もし、この時期に外壁塗装リフォームを依頼するなら、早めに工事を予約しておく必要があるでしょう。
また、春一番による埃の付着や、春先に起こりやすい長雨による工期のずれも春に外壁塗装リフォームを行う際に注意が必要なポイントです。
夏場は雨が多く、塗装後に雨が降ると塗装面が痛んでしまうため、工事の際には雨を避ける必要があります。
しかし、基本的に気温が高いため、雨さえ気をつければ問題なく工事が可能です。
梅雨時や台風など、雨によって工期が延びる可能性が高い点が夏の塗装工事で注意しなければならない部分だと言えます。
秋は春と同じく気候が安定していることから、春と同様に外壁塗装の繁忙期とされています。
そのため、スケジュールや予約の問題が起こりやすい点には注意しておきましょう。
また、近年は秋に台風が比較的多く上陸しているため、予想以上に工期が遅れてしまう可能性についても考慮が必要です。
天候などによるスケジュールのずれを除けば、工事中でエアコンや窓の開け閉めが制限されていても過ごしやすく、塗装も行いやすい秋は外壁塗装に向いた季節だと言えるでしょう。
冬場は雨が少なく空気が乾燥しているため、気温を除けば比較的塗装工事が行いやすい条件ではあります。
しかし、冬は日中は兎も角朝や夕方、夜に気温が5度を下回る可能性が高いため、1日あたりの作業時間が他の季節に比べて短くなり、工期が長めになりがちです。
また、年末年始を挟むと工事がストップしてしまいまう点にも注意しておいた方が良いでしょう。
塗装の条件で考えると、春や秋に外壁塗装を依頼すると良いのですが、繁忙期を避けた方がリフォーム業者の確保が行いやすくなります。
また、場合によっては閑散期と言うことでキャンペーンが行われることもあり、お得に工事ができる場合もあるでしょう。
基本的に外壁塗装はどの季節でも多少の違いはあれど問題なく施工できます。
予約の問題や工期、施工中の快適性などを考慮した上で、ご自分の都合の良いタイミングを見計らって工事を依頼すると良いでしょう。