2019.05.15
住宅外壁と同じく、住宅の屋根についてもさまざまな種類の塗料が用いられています。
一般的に用いられている屋根塗料の種類と、それぞれの塗料の特徴について見てみましょう。
アクリル樹脂を主剤として用いたアクリル塗料は、トタン屋根などの塗装に広く用いられてきた塗料です。
他の塗料に比べて施工費用が安く、気軽に塗り替えることができるため、ある程度短いスパンで屋根をリフォームし、見た目を変えたいという方に向いています。
ただし、外壁用のアクリル塗料と同じく、屋根用のアクリル塗料についても耐用年数が約6年と短いため、メンテナンスの手間がかかってしまう点には注意しておきましょう。
アクリル塗料には、アクリル樹脂のみを用いることで耐久性等を高めたピュアアクリル塗料という製品もありますが、こちらは外壁用のため、屋根に使用することができません。
アクリル塗料に比べて耐久性が向上し、仕上げの光沢感が増しているのがウレタン塗料です。
アクリル塗料に比べてやや割高ですが、屋根用塗料の中では施工費用が安価な部類ですので、低価格で見た目の良い仕上がりを得ることができます。
ただ、ウレタン塗料は耐候性にやや劣る傾向があり、施工時の光沢感があまり長続きしません。
耐用年数も約8年と短めの部類ですので、数年で塗り替えるような使い方に向いている塗料だと言えます。
価格と耐用年数のバランスが良いことから、近年主に屋根塗装で用いられているのがこのシリコン塗料です。
比較的安価な価格で施工できるにもかかわらず、耐用年数は約10年以上、汚れがつきにくく、ウレタン塗料の弱点である色褪せの問題も起こりにくいという特徴があります。
また、塗膜に弾力性があるため、台風や地震等で建物が揺れても、屋根材のずれにある程度追従し、塗膜が割れにくいという点もメリットです。
防汚性、耐候性が高く、長期間住宅の屋根を守ってくれるのがフッ素塗料です。
フッ素塗料は、主剤にフッ素樹脂を用いており、塗装表面にフライパンなどの焦げ付き防止皮膜と似たコーティングを施します。
そのため、雨などが屋根にかかるだけで土埃などの屋根の汚れが流れ落ち、ある程度メンテナンスフリーで屋根の美しさを保つことができるのです。
また、汚れが酷く雨で落ちきらない場合でも、水を掛けるだけである程度綺麗にすることができるため、洗剤等を用いた大がかりな洗浄を行う手間を抑えられます。
セラミック粒子やガラスの主成分であるケイ素を配合したものが無機塗料です。
塗膜が堅く、滑らかな仕上がりとなるため、苔やカビが生えにくく、耐候性や耐久性に優れています。
ただし、無機塗料は塗料の中でも比較的施工費用が高価な部類です。
そのため、無機塗料を用いる際には、塗膜で赤外線を反射して屋根温度の上昇を抑える製品や、中空ビーズで屋根からの熱伝導を抑える製品など、複合的な効果を持つ製品を用いるとコストに見合った満足感を得ることができるでしょう。
屋根の塗装は施工の際に足場を組む必要があるため、塗料だけの価格を抑えても施工費用の総額が抑えにくいこともよくあります。
屋根のリフォームで塗装にかかる費用を抑えたい場合には、耐久性の高い塗料を用い、建て直しまでの期間に行わなければならない塗装の回数を抑えるのが効果的です。
約50年で建て替えると考えた場合、約10年で塗り替える塗料と、約15年持つ塗料なら、50年間でリフォーム回数は約2回変わります。
屋根の見た目をこまめに変えたいなどの理由がない場合には、シリコンやフッ素、無機などの耐久性のある塗料を用いれば、長期的なコスト削減に繋がるでしょう。
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