2019.05.08
外壁リフォームで用いられている塗料にはどのような種類のものがあるのでしょうか?
一般的なリフォームの現場で主に使用されている塗料についてご紹介します。
アクリル塗料とは、ベースにアクリル樹脂を用いた塗料のことです。
発色が比較的鮮やかで、塗料の価格も安価というメリットがありますが、耐用年数が約5年から約7年と他の塗料に比べて短いという大きなデメリットがあります。
ただし、近年では配合するアクリル樹脂の大きさを変えて紫外線耐性を向上させた「ピュアアクリル塗料」や、ピュアアクリル塗料にポリカーボネート樹脂を配合し、耐候性をさらに高めた製品などが開発されているため、アクリル塗料を利用したいという方は、このようなタイプの製品を利用するのがおすすめです。
ウレタン塗料とは、アクリル塗料で用いられているアクリル樹脂をウレタン樹脂に変更した塗料のことです。
耐用年数はアクリル塗料より長く約8年、乾燥後の塗膜に弾力性があるという特徴があり、建物が揺れた際などにも追従し、塗膜のひび割れを防げるという特徴があります。
ただし、ウレタン塗料は防汚性が低く、紫外線による変色が起こりやすい傾向があるため、長期間外壁の状態を保ちたいという場合にはあまり向いていません。
近年では使用するウレタン樹脂の改良により、紫外線耐性を高めたものや、ウレタン樹脂に加えて防汚性を高める素材を配合した製品もありますので、外壁塗装にウレタン塗料を使用したいという方は、対策済みの製品を選ぶことをおすすめします。
シリコン塗料とは、主成分にシリコン樹脂を用いた塗料のことです。
耐候性、耐熱性に優れるという特徴があり、耐用年数についても約12年と、比較的長期間住宅外壁の状態を保つことができます。
また、ウレタン塗料と同じく、乾燥後の塗膜にある程度の弾力性があるため、塗膜のひび割れが起こりにくいのも特徴です。
シリコン塗料は性能が安定しており、価格と耐用年数のバランスも良い製品が多いため、住宅外壁の塗装リフォームで広く用いられています。
塗料の主成分にフライパンなどで有名なフッ素樹脂を配合しているのがこのフッ素塗料です。
塗料が乾燥すると、フッ素コーティングのフライパンと同じく、表面にフッ素樹脂の膜が形成されるため、付着した汚れなどが雨で簡単に流れ落ち、長期間美しい状態を保ってくれます。
また、フッ素塗料は耐候性にも優れており、長期間の利用でもあまり塗装の状態が劣化しません。
フッ素塗料の耐用年数は一般的に約15年から約20年とされていますので、リフォームの頻度を抑えられるというのも大きなメリットです。
無機塗料とは、塗料の主剤に有機樹脂ではなく、無機物を用いた製品のことです。
無機物とは、陶器や石などの鉱物系の素材を表す言葉で、無機塗料では材料としてセラミック粉末やセラミック粒子が用いられています。
鉱物と同じような特性を持つ塗膜を形成することができるため、耐候性に優れ汚れが付着しにくいというメリットがありますが、セラミック粉末を用いているため、どうしても塗料そのものの価格がやや割高という点には注意が必要です。
住宅外壁に用いられている塗料は主成分によって性能や価格が大きく変わります。
外壁の塗装リフォームを行う際には、コストや耐用年数、防汚性、耐候性などを考慮し、バランスの良い製品を選ぶようにしましょう。