2019.09.25
住宅外壁の塗装で、近年多く用いられているのがシリコン塗料です。
シリコン塗料とは、塗料の主成分にシリコン樹脂を用いた製品のことで、シリコン樹脂はガラスや鉱物などの無機物と似た分子構造のため、他の樹脂を用いた塗料に比べて耐久性が高いという特徴があります。
また、シリコン塗料は塗膜が水になじみやすいという性質を持っているため、雨が降った際に雨水が汚れと塗膜の間に入り込みやすく、ある程度自然に外壁の汚れを落とすことができます。
もちろん、清掃などのメンテナンスを行わずに施工時の状態を保つのは難しいですが、ある程度の外観を少ないメンテナンス回数で維持することができるため、手入れの手間を減らしたいという方にもおすすめです。
シリコン塗料は耐久性が高く、汚れもつきにくいというメリットがありますが、施工前に注意しておかなければならないポイントもあります。
ひとつめの注意点は、シリコン塗料の塗膜はウレタン塗料と比べて堅いということです。
塗膜とは、塗料を塗って固まった状態、つまり塗料の層のことなのですが、この皮膜が堅いと建物が揺れた際に起こる伸縮を吸収できず、塗膜がひび割れてしまうことがあります。
シリコン塗料をモルタル外壁などの比較的ひび割れができやすい外壁に施工する際には、通常の製品を利用するのではなく、塗膜の伸縮性を向上させた『弾性シリコン塗料』を用いると良いでしょう。
シリコン塗料を利用する際のもうひとつの注意点は、ランニングコストについてです。
シリコン塗料の耐用年数は、住宅外壁に用いた場合で約10年とされており、これはアクリル塗料の約6年、ウレタン塗料の約8年に比べて長めと言えます。
しかし、長寿命の塗料として有名なフッ素塗料や無機塗料の場合、耐用年数は約15年ですので、総合的な塗り直し回数はこれらの塗料の方が少なく済むのです。
ただし、一般的な住宅の耐用年数が約50年と言われていることを考えると、塗装を行う回数そのものの差は、シリコン塗料なら5回、フッ素や無機塗料なら約4回とそれほど大きな違いはありません。
フッ素塗料や無機塗料は1回あたりの施工費用がシリコン塗料の場合に比べてやや割高ですので、リフォームの際にかかるコストを抑えたいならシリコン塗料を、長期的な視点でコストを削減したいならフッ素塗料や無機塗料を利用すると良いでしょう。
2019年現在、シリコン塗料は外壁用塗料の中でコストと性能のバランスに優れた製品として人気となっています。
無機塗料などの高機能塗料に比べて施工価格が抑えられ、ウレタン塗料などに比べて長寿命、さらに汚れがつきにくく、耐熱性にも優れているため、一般的な住宅外壁への利用で不満が出ることはほとんどないでしょう。
また、シリコン塗料はカラーの種類が多いのも大きなメリットです。
デザイン性を確保しつつ、良好なコストパフォーマンスを求めるなら、シリコン塗料が最もバランスが良い製品だと言えるでしょう。
2020.04.20
2020.04.14