2019.09.18
セラミック塗料というと、どのようなイメージがあるでしょうか?
一般的に、セラミック塗料は高耐久、長寿命、防汚といった特徴をもつ高性能な塗料として知られています。
ですが、市販されているセラミック塗料が全てこれらの特徴を兼ね備えているというわけではありません。
今回は、セラミック塗料の基本的な特徴と種類、実際に塗装リフォームで使用する際の注意点などについてご紹介していきます。
まずは、セラミック塗料の基本的な性能、特徴について見ていきましょう。
これは、塗料にシリカなどの汚れを弾きやすくなる成分を配合して作られたセラミック塗料の特徴です。
施工すると、塗膜表面に配合されたシリカ粉末が浮き上がって皮膜を作り、汚れがつきにくくなります。
セラミック塗料は、施工すると表面にセラミック成分が膜を作るため、紫外線による樹脂部分の劣化度合いを抑えることができるとされています。
そのため、樹脂のみを使用した塗料に比べ、セラミック塗料は耐用年数が長い傾向があります。
これは、セラミック塗料の中でも中空のセラミック粒子を配合している製品の特徴です。
このタイプの塗料は、外壁に塗装すると塗膜表面に中空のセラミック粒子が規則正しく並び、空気の層を含んだような仕上がりになります。
これにより、外部からの熱が建物内部に伝わりにくくなり、断熱性や遮熱性を高めることができるのです。
感覚としては、魔法瓶と似た仕組みを外壁に追加できるとイメージしてください。
また、空気の層は音の伝達もある程度抑えることができるため、中空セラミック粒子を用いた製品なら、ある程度の防音効果も期待できます。
セラミックは、いわゆる陶器や磁器などに近い成分です。
そのため、セラミック粉末を多く含む塗料の場合、弾力性が少なくなり、完成した塗膜は高い硬度となります。
堅いと言うことは、傷が付きにくいということではありますが、建物の揺れなどによる歪みに対応することができず、塗膜がひび割れてしまうリスクがあるのです。
セラミック塗料とひとまとめに呼ばれていますが、市販されている製品は販売しているメーカーごとに使用しているセラミックや樹脂などに違いがあり、仕上がりや性能に大きな違いがあります。
塗装リフォームでセラミック塗料を使用する際にまず気をつけていただきたいのがこの部分で、場合によっては同じセラミック塗料でも耐用年数が倍近く変わったり、断熱性や防汚性が期待できなかったりということもあるのです。
塗料に用いられているセラミック粉末そのものは、陶器や磁器と同じく高い耐久性と耐用年数を持っています。
しかし、セラミックだけを用いて塗料を作ることはできません。
基本的に、市販されているセラミック塗料の場合、下地にしっかり食いつくように樹脂が配合されていますし、塗装の際に施工しやすいよう、溶剤を用いて液体に加工しているのです。
この樹脂がセラミック塗料の耐用年数に大きな影響を及ぼします。
セラミック塗料に用いられている樹脂原料は、外壁用塗料でおなじみのウレタン樹脂やシリコン樹脂、フッ素樹脂などです。
それぞれの樹脂の耐用年数は、ウレタン樹脂が約8年、シリコン樹脂が約10年、フッ素樹脂が約15年とされています。
セラミック塗料の耐用年数は、基本的に使用されている樹脂と同じです。
そのため、セラミック塗料を選ぶ際には、ベースに用いられている樹脂を知ることも重要なポイントだと言えます。
色々な注意点はありますが、中空セラミック粒子を使用した高断熱製品や、シリカ系粉末を使用した防汚性の高い製品など、セラミック塗料の中には建物の快適性を高める高機能な製品が販売されています。
光熱費削減を目的として高断熱塗料を使用する場合や、長期間美しい外壁を保つ目的で使用する場合、セラミック塗料は理想的な製品だと言えるでしょう。
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