2020.02.12
スレートは軽さが特徴の建材で、近年ガルバリウム鋼板などと同様に地震対策としての導入が増加している屋根材です。
軽量である程度の耐久性があり、何より塗装で仕上げられているため、見た目にもこだわれるとして幅広い人気を誇っていますが、スレート屋根の性能を維持するためには定期的な塗装によるメンテナンスが必須とされています。
なぜスレート屋根には塗装メンテナンスが必要なのでしょうか?
スレートの特徴と塗装が劣化した場合に起こりうる問題についてご紹介していきます。
スレートとは、主原料のセメントに約1割の繊維系素材を配合して作られる屋根材です。
主原料として用いられているセメントはさまざまな場所に用いられている世界でも有数の建材ですが、実は高い強度と施工性とは裏腹に、ある特徴に注意する必要がある素材とも言われています。
その特徴とは、防水性があまり高くないということ。
セメント及びコンクリートが用いられている建物は数多くありますし、大量の水を保持するプールもセメントで製造されることが多いのですが、実はセメントは長期間水にさらされると防水性が低下するという特徴があります。
特に雨水には弱く、窒素酸化物を含む雨、いわゆる酸性雨に晒された場合、セメントの主成分が溶け出し、どんどん強度と防水性が失われるのです。
スレートの場合もセメントが多く用いられていますので、そのままの状態ではあっという間に劣化が進み、防水性が失われるでしょう。
建物の中には、コンクリート打ちっぱなしで外壁を仕上げているものもあります。
これを見るとセメントむき出しでも防水性を維持できるように思えますが、実はこれらの打ちっぱなし外壁には、雨を弾くクリア塗装が施されていたり、最初から雨に強い特殊なコンクリートが用いられているのです。
そのため、通常のコンクリートで作られた外壁の場合、定期的にクリア塗装の再塗装が必須で、施工されている場所によっては数年おきに塗装を行わなければならないこともあります。
外壁に限らず、似た素材を用いているスレートの場合も同様に塗装で表面を保護しています。
スレートの場合はクリア塗装を施すことはあまりなく、建材として住宅のデザインに合うようさまざまなカラーが用いられており、比較的自由に色調を選ぶことが可能です。
ここまででご紹介したとおり、スレートをはじめとするセメント系屋根材は、防水性・耐水性を表面の塗装によって確保しています。
もし、塗装が劣化した状態をそのままにしていると、雨がスレートに染みこむため、カビやコケ、変形・ひび割れなどの症状が発生します。
このような症状が起こった場合、状態によっては屋根材の葺き替えを行わなければならなくなるでしょう。
しかし、塗装による防水性が確保された状態ならこれらの問題はほとんど起こりません。
つまり、スレート屋根の塗装メンテナンスとは、塗装の劣化によって失われる耐水性を維持し、屋根の状態を長期にわたって保つために欠かせない作業だと言えるのです。
屋根の塗装リフォームは比較的高額な工事だと思われがちですが、葺き替えや重ね葺きと言った屋根材そのものを変更したり追加したりする工事と比べればコストは抑えられます。
塗装の耐水性が失われて大掛かりなメンテナンス・リフォームが必要となる前に、定期的な塗装メンテナンスを実施しておきましょう。
https://protimes.saneki.co.jp/blog/2547/
スレート屋根のメンテナンス時期、劣化の見極め方については、こちらの記事で詳しくご説明しておりますので、ご自宅の屋根の状態が気になるという方は是非こちらの記事も合わせてご覧ください。
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