2019.10.23
前回の記事では、なぜ外壁塗装が必要なのかと、外壁塗装リフォームを行うタイミングについてご紹介しました。
https://protimes.saneki.co.jp/blog/2442/
今回は、前回の記事に引き続き、外壁塗装が劣化するとどのような問題が起こるのか、そして実際に塗り替えリフォームを行う場合の手順についてご紹介します。
前回の記事では、外壁に施されている塗装やコーティングが劣化すると、建物の防水性が低下すると説明しました。
このような症状が発生した場合、建物にはどのような問題が起こるのでしょうか?
外壁が雨水の浸入を防止できなくなると、外壁部分に雨水が染みこみやすくなったり、外壁のクラックやサイディングボードの隙間から雨水が浸入したりします。
しかし、この侵入した雨水は余程大量でなければ室内まで染みこんでくることはありません。
これは、近年の住宅が壁内部に断熱材を充填している場合が多いことが理由です。
この断熱材はスタイロフォームや発泡ウレタンなどのスポンジ状の素材で、本来は空気の層を作り出して断熱効果を得ています。
しかし、隙間が多いということはそれだけ水分も多く吸収できるということですので、外壁からの雨漏りが発生していたとしても、断熱材がある程度の水分を吸収してしまい、室内まで雨水が浸入しないのです。
つまり、室内で雨漏りが見つかった場合、建物には断熱材の吸収限界を超える雨漏りが発生している可能性が高いと考えられます。
話は少し戻りますが、室内で確認できない程度の雨漏りが発生すると、建物にはどのような問題が起こるのかについてもご紹介します。
小規模な雨漏りの場合、壁内部に充填された断熱材などに雨水が染みこみますが、この雨水はしばらくの間壁の中に残ります。
これは、住宅の壁内部は構造材の腐食を防止するためにある程度の気密性と乾燥状態が確保されていることが理由です。
つまり、外壁からの雨漏りが発生すると、本来確保されているはずの乾燥状態が失われ、柱や梁、断熱材が湿気に晒される状態になります。
もちろん、短期間の湿気ならこれらの構造材もほとんど腐食を起こすことはありません。
しかし、もし気づかないまま放置した場合、柱が腐食し、ちょっとした台風や地震で建物が傾いたり倒壊したりと言った問題が起こるのです。
断熱材については石油系素材のため、こちらもすぐに劣化することはありませんが、水分が多い環境下ではカビなどが生えやすくなり、壁内環境の悪化を促進してしまいます。
前回の記事では、塗装やコーティングの劣化を見分ける方法についてご紹介していますが、実際に塗り替えリフォームを依頼する場合はどのような手順で行えば良いのでしょうか?
塗装やコーティングの劣化が疑われる、前回の塗装から約10年経過しているという場合には、まず外壁塗装を手掛けているリフォーム会社に連絡し、建物の状態を診断してもらってください。
診断の結果、塗り替えリフォームが必要だと思われる場合は、依頼すれば見積もりや工事の予約を行うことができます。
塗り替えリフォームの費用は、一般的に約100万円前後と言われています。
しかし、これは様々な事例の平均を元にした相場のため、場合によってはもっと高くなることもありますし、逆にやすく収まることもあります。
特に雨漏りなどで建物の劣化が進んでいる場合は、壁の修繕まで必要となるため、リフォーム費用は通常の塗装だけの場合に比べ、はるかに高額となるでしょう。
建物のメンテナンス、修繕費用を抑えるためには、塗装やコーティングなどの劣化が進む前にリフォームを行い、雨水の浸入を防ぐことが重要です。
建築またはリフォームしてから約10年経過したら、見た目上問題がなくとも、建物診断を依頼し、プロの目で建物の状態を確認してもらうようにしましょう。