2019.09.11
住宅の外壁と切っても切れない関係なのが、雨や排気ガス、土ぼこりなどによって起こる外壁の汚れです。
外壁の汚れは、定期的な洗浄を行ったり、施工時に汚れにくい塗料を選んだりしなければなりません。
しかし、塗料の中には、さまざまな化学反応を用いることにより、外壁の汚れを自ら分解し、メンテナンスのコストを抑えられる製品もあります。
こういった塗装そのものが汚れを防ぐ製品の中で代表的なものが『光触媒塗料』です。
光触媒塗料は、塗料に含まれた触媒により、外壁に付着した有機化学物質、つまり排ガスなどに含まれる成分を分解し、無害な二酸化炭素へ変換します。
また、光触媒塗料には、汚れの付着を抑える成分も配合されており、触媒による汚れの分解と合わせ、土ぼこりなどの汚れについても、雨によって簡単に汚れが流れ落ちるよう設計されているのです。
ちなみに、触媒による化学反応というと、ケミカルなもの、体に影響がありそうなものというイメージがあるかもしれませんが、光触媒塗料で用いられている触媒は酸化チタンというもので、食品や日焼け止めにも用いられている安全性の高いものです。
汚れがつきにくいだけでなく、汚れを分解する働きもある光触媒塗料ですが、実際に外壁へ塗装するにあたり、どのようなメリット・デメリットを考慮しておく必要があるのでしょうか?
光触媒塗料の代表的なメリットと言えば、汚れがつきにくいことです。
光触媒塗料を外壁に施工すると、土ぼこりや排ガス汚れなどは雨が降るたびに除去されますし、気になったら水をかけるだけで外壁の洗浄を行えます。
また、光触媒塗料は塗料に含まれる触媒によって汚れを無害化していますが、この働きは塗装面に触れると効果を発揮するため、空気そのものに含まれる化学物質についてもある程度無害化できるというのもメリットのひとつです。
例えば、TOTOの販売している『ハイドロテクトカラーコートECO-EX』の場合、空気清浄効果は建物1軒分につき、テニスコート4面分、乗用車に直すと、約12台分の排気ガスを浄化するとされています。
その他にも、光触媒塗料は外壁塗装の劣化原因となる紫外線を利用して汚れを分解する仕組みが用いられているため、紫外線による塗装の劣化が少なく、結果的に長期間塗装の状態を保てるという点もメリットです。
耐久性、耐用年数については、約15年から条件次第では約20年と外壁用塗料の中でもトップクラスに長いものとなっているため、外壁塗装リフォームの回数を抑えたいという方におすすめの塗料と言えます。
光触媒塗料は寿命が長く美しい状態を保ちやすい外壁用塗料ですが、あくまで触媒による化学反応で汚れを分解する仕組みのため、対応していない汚れについては分解することができません。
また、光触媒塗料の洗浄性能を発揮するためには、太陽の光と雨が必要ですので、日当たりが悪かったり、雨があたりにくかったりする箇所では光触媒塗料のメリットを十分に生かすことができない点にも注意が必要です。
このような部分については、光触媒塗料で分解が難しい樹液や木の葉などの汚れを落とす際に、水をかけると汚れを落とすことができます。
もう1点、デメリットとまでは言いにくい注意点として、光触媒塗料の色があります。
光触媒塗料では、触媒として白色顔料としても用いられている酸化チタンが利用されているため、どうしても塗料そのものの色も白系になりがちです。
元々白系の塗装を希望されている方には問題ではありませんが、濃色の塗装を希望されている方の場合は、光触媒コーティングといった別の方法を用いる必要があるため、多少施工時に手間がかかります。
光触媒塗料は、外壁用塗料の中でも特に特徴が多い製品と言えます。
外壁塗装リフォームに光触媒塗料を利用される際には、リフォーム会社などの専門家に相談し、メリットやデメリットについて十分に理解した上で使用するかどうかを判断しましょう。
光触媒塗料については、こちらの記事でもご紹介しておりますので、興味のある方は是非ご一読ください。
https://protimes.saneki.co.jp/blog/2276/